ＢＯＲＧ90ＦＬ使用上の注意点（１）：鏡筒の長さについて
＜中川コメント＞
今回、90ＦＬの対物レンズのみのご注文がかなり多かったのですが、同時に短鏡筒（80φＬ100、Ｌ135、Ｌ150ｍｍ鏡筒）と専用ドロチューブ【7137】のご注文をされる方が意外と少ないぞ、というのが中川の正直な感想でした。

もしかして、誤解されている方がいらっしゃるといけないので、再度確認で書きますと、金属鏡筒【6000・6003】に付属のＬ205ｍｍ鏡筒では、一眼レフの直焦点では無限遠にギリギリピントが来ません。ミラーレスならかろうじてＯＫですが、補正レンズや絞り等のアクセサリーの挿入を考えると、短鏡筒のご使用をおススメしています。ＢＯＲＧのベストのおススメはＬ100ｍｍ鏡筒【7101】・【7102】です。その場合、ドロチューブも専用のもの【7137】が必要です。ドロチューブを変えないとケラレが生じてせっかくのＦ5.6の明るさが生かせなくなります。短鏡筒と専用ドロチューブの件はＢＯＲＧの達人でないと分かりにくいかもしれませんので、今一度注意喚起という意味で書かせていただきました。※7/24追記：短鏡筒Ｌ100・Ｌ135鏡筒には専用ドロチューブ【7137】が必要な理由がもうひとつありました。標準のドロチューブだと長すぎてドロチューブが最後まで格納できないのです。ご説明不足で申し訳ありません。
ＢＯＲＧ90ＦＬ使用上の注意点（２）：キャップについて
＜中川コメント＞
次は対物キャップの注意点です。90ＦＬの対物キャップは2重構造になっています。通常は大きなメタルキャップごと外すのが正解です。中央の小さなキャップはプラスチック製で、通常は外しません。外す必要があるのは、太陽撮影用Ｄ5フィルター82ｍｍ【9582】を装着するときだけです。ＢＯＲＧは解像力の低下を危惧して、フィルターを対物レンズの前に装着することは基本おすすめしておりませんので、90ｍｍの全口径を生かしたフィルターネジはありません。

また、90ＦＬはレンズの前面に蛍石を配置しています。蛍石はマルチコートを施しているとはいえ、レンズ面が柔らかいといわれていますので、レンズ面を強く拭いたりこすったりすることは厳禁です。キズが付きますので、ご注意ください。

ＢＯＲＧ90ＦＬ使用上の注意点（３）：対物レンズの取付方法
＜中川コメント＞
90ＦＬはレンズの前方が重いので、鏡筒への取り付けは以下の注意を守ってください。

１）レンズを高い位置に持ち上げての装着はおやめ下さい。落下した際にレンズが破損する恐れがあります。
2）上の画像のように90ＦＬレンズを低い位置で水平にします。
3）次に90ＦＬフードを伸ばします。
4）次に左手で90ＦＬの延長筒を持ちます。
5）次に右手で鏡筒を持ちながら時計周りに鏡筒を回します。
6）レンズが最後までしっかりとネジ込まれたことを確認します。

以上です。ポイントは3）のフードを伸ばすところです。フードを伸ばさずにレンズを装着しようとすると、フードが空回りしてなかなかねじ込めません。また、90ＦＬのフードは89ＥＤよりもフードの伸縮が固めになっているので、最初はなかなか伸ばすのに苦労するかもしれません。コツとしては、最初に鏡筒にレンズを少しねじ込んでおいてからフードを引き出すと引き出しやすいと思います。

ＢＯＲＧ90ＦＬ使用上の注意点（４）：その他
●90ＦＬ用のレデューサーについて：従来のレデューサー【7870】も使用可能ですが、専用のレデューサーを開発中ですので、そちらをおススメいたします。
●とにかく高価なレンズです。くれぐれもレンズの落下やキズやカビ（高温多湿は厳禁、できればレンズだけは防湿庫へ）については細心の注意を払ってください。

せっかく入手される大切なレンズです。正しく使用して末永くご愛用をいただければ嬉しく思います。以上よろしくお願いします。

Ｐ，Ｓ．昨日と今日は、90ＦＬの発売日入手のご予約が出来なかった販売店様やお客様の対応に追われました。弊社の見通しの甘さもあり、だいぶお叱りを受けました。ご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ありませんでした。現在、次回の入荷を少しでも早くするように最大限の努力をしておりますので、ぜひとも諦めずにご予約を入れていただければ幸いです。

Ｐ．Ｓ．2　90ＦＬの次回入荷は10月を予定していますが、10月8日の皆既月食に間に合うのか？という声を多数いただいています。この月食は非常に条件が良いのですが、世間の認知度も相当高いらしく、今日は野鳥派の方からも一般の方からも10月8日の皆既月食の話があちこちで出たので、こちらが驚きました。何とかこの皆既月食に間に合わせるべく努力いたしますので、お早目のご予約をお願いできれば幸いです。今日もＢＯＲＧ開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。