奈良の子鹿公開 BORG50mmF2.8【2850】→F5.6+7844+7840+7843+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/1000秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>毎年6月は有料で小鹿公開があります。まずはBORG50mmF2.8手持ちで撮影しました。小鹿がたくさん居て嬉しくなります。
奈良の子鹿公開 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/1600秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>BORG67FL+マルチフラットナー1.08×【7108】の組み合わせは元々フルサイズ対応なので、α7sとの相性は期待値が大きかったのですが、ご覧の通り、予想以上の写りでした。それにしてもこの67FLはなぜか鹿ちゃんがとてもよく写ります。
奈良の子鹿公開 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/1000秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>昨日も書きましたが、α7sのピント拡大機能とフォーカスピーキング機能が共に使いやすいので、マニュアルフォーカスは快適です。特にカスタムボタン1(C1)を「ピント拡大」に設定するのがおすすめです。解像感も高いと思います。
奈良の子鹿公開 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/1000秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>67FLはスペック以上に明るいので、ISOを無理に上げる必要がなく、曇り空でも速いシャッターが切れます。これは助かります。
奈良の子鹿公開 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/800秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>やはりこの鮮鋭度、色、ボケ、透明感を味わうと他のレンズは使えなくなります。BORGで傑作をものにするたびに自分の宝物が増える感覚があり、それがBORGに病みつきになる原因ではないか?と分析したりしてます。
奈良の子鹿公開 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO500 1/1250秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良・鹿苑
<中川コメント>この色の深みもはまります。すぐ隣で高価な望遠ズームで撮影されている方がいらして、BORG67FLの方が写るンだぜ!と思いながら撮影する優越感は何にも代えられません。
今回の撮影機材:奥がBORG67FL+7108+ソニーα7sボデー、手前がBORG50mmF2.8【2850】
<中川コメント>67FLと50mmF2.8を交換レンズとしてとっかえひっかえするわけです。BORGに焦点距離50mmが加わることにより、「全部BORGプロジェクト」が進行するわけです。
奈良・興福寺遠望 BORG50mmF2.8【2850】→F5.6+7844+7840+7843+5013+ソニーα7sボデー ISO50 1/80秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良市
<中川コメント>まずは50mmで興福寺の遠望を撮影。ISO50があるので使ってみたらこの通り、画質が良い。この後67FLにレンズを交換します。
奈良・興福寺五重塔遠望 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO1600 1/320秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良市
<中川コメント>暗かったのでISO1600で撮影。なかなかの低ノイズです。上の50mmの画像の中にある五重塔付近を67FL(300mm)で切り取った形となります。
奈良・興福寺五重塔遠望 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO50 1/250秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良市
<中川コメント>画像処理でコントラストを高めてありますが、ISO50のお陰で荒れていません。この画像、驚くほどシャープです。五重塔の上部にある水煙の模様がはっきりと分かる、背景の山(若草山)にいる鹿の形がはっきり分かる、若草山の上の方にあるベンチの足がはっきりと写っている等々、驚異的な解像力です。レンズとカメラの合わせ技だと思います。ISO50恐るべしです。
奈良・興福寺五重塔遠望 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO160 1/800秒 ノートリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良市
<中川コメント>この画像は「絵画調HDR」と画像処理を合わせてかなり強調したものです。普通ここまでコントラストを上げると荒れるものですが、それほどでもありません。いろんな意味で耐性の高いセンサーという感じです。コントラストを高めたため、4隅のケラレも強調されました。
奈良・興福寺五重塔遠望 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO100 1/1250秒 等倍トリミング 手持ち 撮影:中川昇 奈良市
<中川コメント>この画像、等倍トリミングでかなり大きいです。鹿は居ないのですが、人が写っています。分かりますか?若草山の頂上近くを登っている男の人が一人。我ながら驚異の解像力です。若草山まで直線で2.5kmはあります。α7sのISO100は優秀です。67FLは解像度番長史上最強の300mmかもしれません。
睡蓮 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO640 1/500秒 等倍トリミング 手持ち 撮影:中川昇 岩船寺
<中川コメント>ソニーはBORGだと手振れ補正が効きませんが、ISOを上げやすいので、速いシャッターを切りやすく、結果ぶれにくいです。また、サイレントモードはシャッターを切った音も感覚も全く残りません。室内の撮影では最強です。
睡蓮 BORG67FL+7108+5013+ソニーα7sボデー ISO1000 1/2500秒 等倍トリミング 手持ち 撮影:中川昇 岩船寺
<中川コメント>ビビットで撮影したので、見事に白が飛びました。ただ、写りは良いです。
今回の撮影機材:奥がBORG67FL+7108+5013、手前がBORG50mmF2.8【2850】+7844+7840+7843+5013+ソニーα7sボデー
<中川コメント>50mmと300mmを交換レンズとして持ち歩くのは新鮮です。構図に迷いが生じないというか気持ちが良いほど割り切って撮影が出来ます。この迷いがないというのは、心理的にもとても楽に撮影ができるのものです。
<中川総合コメント>
まだまだα7sの作例はたくさんあるのですが、 キリが無いので奈良編はこの辺で1回終わりにします。野鳥と天体の作例が全く撮れていないので、デジボーグ向けかどうかの評価は保留としたいと思いますが、ホタルと風景と花は文句無く合格です。画素があまり大きくないのが、楽というか気を使わなくていいという事がα7sが使いやすいデジカメという印象を生んでいるのだと思います。別売のグリップも入手して、しっかりホールドして、さらにテストしてみたいと思います。余談ですが、奈良公園の春日野園地に行ったら、やけに騒がしく、近付いてみたら、音楽のイベントをやっており、何と夏川りみのコンサートが始まる直前で、慌ててα7sで動画の撮影をしましたが、さすがは動画のソニー。音も絵も最高でした。というわけで基本的にはα7s気に入りました。
光害地でのM42オリオン星雲 BORG67FL+0.7DGT【7870】+EOS5DMarkⅡ ピクセル等倍の切抜き 撮影者:中西直樹様
<中西レポート>
こんにちは、中川さん。中西です。BORG67FLレポート第14弾 オリオン大星雲 デジカメ簡単!撮影編です。
さて、Borgブログや雑誌の入選作品を見ると、素晴らしい作品がたくさんあるので、Borgの性能が高いのは、よく分かるけど、自分のカメラや腕では、なかなかあんなには撮れないと思われる方もおられるかもしれません。もちろん、天体写真でBorgの威力を最大限に引き出すためには、冷却CCDやオートガイドできる赤道儀をお勧めしたいところですが、なかなかそこまではねー、と感じられるかもしれません。
そこで今回は、普通の未改造のデジカメで、オートガイド無しで、しかも月明かりの中、光害地で、短時間で、どこまで写せるか挑戦しました!(月齢は19、透明度は普通レベルで、3等星がギリギリ見えるくらいの空)つまり、今回の作例くらいなら、基本的な技術さえ身につければ、まさに「誰にでも!どこでも!」撮れるということです。
今回の機材は、67FL+0.7DGT+EOS5DMarkⅡです。(今回は光害カットフィルターも使用していません)少し高価なフルサイズのデジカメを使用していますが、大幅にトリミングしていますので、フォーサーズでも全く問題無しです。
また、赤道儀は、少し大きめのビクセンSXDですが、67FLなら、Borgで取り扱っている、Toastやビクセン ポラリエでも十分だと思います。 (特にTaostはピリオディクモーションが少ないのでお勧めです)頑張れば、ナノトラでも、かなりいけるかもしれませんね。
撮影手順としてはごく簡単です。コツを順にご説明します。
・まず赤道儀を設置し、極軸を合わせます。(できれば極軸望遠鏡を使用し、精度よく設置したいところです)
・オリオン大星雲を導入します。肉眼でも何とか見えますので、手動で簡単に導入できます。
・次に、ライブビューでピントを合わせます。もし、暗くて星が見えないようならベテルギウスなど近くの明るい星で合わせればOKです。
・試写して、ピントと構図を追い込みます。(ピントの追い込みは、ぎりぎり見えるくらいの星で行なうほうが簡単です)
・調整ができたら、後はひたすらタイマーで連射するので、ほっておくだけです(笑)今回の設定は、ISO1600、30秒露出です。適当なところで止めたら44枚つまり22分間ほど撮れていたので、これくらいでいいかな、と止めました。
いつもの冷却CCDでオートガイド撮影と比べると、本当に楽チンで、少し慣れれば誰にでもできると思います。
後は、ダークを引いてコンポジットして、簡単に画像処理しました。モノクロ冷却CCDの本格的な画像処理とは比べ物にならないくらいに、これまた簡単です!(デジカメの画像処理の情報はネットや書籍・雑誌に、たくさんあります)
そして、お手軽に完成した画像が今回の作例です。ちなみに、ピクセル等倍の切抜きです。お手軽で撮影したとは思えないほど
よく写っているのではないでしょうか?中心部のシャープさが、お分かりいただけるかと思います。銀塩フィルム時代なら、天文誌入選レベルかもしれません。(最近、実家に帰った時に、昔の天文ガイドを見るのが、マイブームですので)
当時だと、かなり大きな望遠鏡に赤道儀、そして高価なガイド装置、大判フィルムカメラが必要になりそうです。そんなレベルの美しい写真が、今や都会で、こんなに簡単に撮れてしまうのです!これは、撮らないわけには、いかないでしょう!
その点で、コンパクトかつ明るい、そしてシャープな67FLは、非常に有利です!個人的なお勧めとしては、フルサイズカメラを特にご使用の方は67FL+1.08DG【7108】です。直焦点より若干だけ暗くなりますが、フルサイズはノイズが少ないカメラが多いので全く問題ないと思います。
逆に、APS-Cやフォーサーズをご使用の方々は、67FL+0.7DGT【7870】がお勧めです。ノイズが少し多いかもしれませんので、レデューサーの明るさが大きな助けになります!(もちろん、焦点距離が長いほうが好みの方は、1.08DGのほうが良いかもしれません)
67FL+0.7DGT【7870】でフルサイズだと、最新のBorgカタログでもアナウンスされているように周辺が少し乱れます。正直なところ、天体写真に使用するには、フルサイズだとトリミングが必要だと思います。中川さんも言っておられるように67FL専用のフルサイズ対応レデューサーの開発が望まれます。
APS-Cでも、天体写真レベルだと若干流れますが、フォーサーズなら天体写真でも問題ないレベルです。このあたりに関しては、以前のレポートと作例をご覧ください。
(http://www.tomytec.co.jp/borg/world/blog/2013/06/20130624.html)
このレポート内では使用補正レンズはまだ秘密ということになっていますが、種明かしをすると0.7DGT+フォーサーズ冷却CCDのトリミング無し画像です。しかし、一般写真なら、67FL+0.7DGT+フルサイズでも、被写体によっては結構いけます。
<中川コメント>
中西さんからは相当以前にレポートいただいていた記事ですが、67FLが大好評でいきなり長期で品切れするなど、掲載のタイミングを逃してしまい、今日の掲載となりました。中西さん、掲載が遅くなりまして申し訳ありませんでした。現在、2ロット目がようやく入荷してきたところです。今なら67FLはそれほどお待たせはしないと思います。その大好評な67FLが星雲・星団の撮影にも向いているというレポートです。特に67FLとマルチフラットナー1.08×DG【7108】との相性は抜群ですので、ぜひ試していただければ幸いです。
P.S.小原先生からもモニターの椋野さんからも素晴らしいレポートが届いています。明日以降に掲載予定です。今日もBORG開発者ブログをご覧いただき、ありがとうございます。