BORG71FL+TOASTによる皆既月食 カメラ:Canon EOS 50D ボディー レンズ:BORG71FL+マルチフラットナー1.08倍 感度:ISO400 露出:6秒 時間:2011年12月10日 23:46 撮影地:片倉ダム(千葉県) 追尾架台:モバイル赤道儀TOAST-Pro + ジンバルフォークユニット 撮影者:TOASTスタッフ
<撮影者のコメント>
APS-Cサイズのカメラを装着した場合、71FLの焦点距離は700mm以上の超望遠レンズとなりますが、モバイル赤道儀「TOAST-Pro」のジンバルフォークユニットに搭載すれば、フリークランプ状態での操作が可能となり快適に天体を視野中心に導入できます。71FLは非常にシャープな月の写真を撮影することが可能ですのでTOAST-Proとの組み合わせでデジボーグの可能性が更に広がります。
<中川コメント>
やはり天体写真には赤道儀は非常に有利なことが分かります。6秒露出という余裕の長時間露出は赤道儀でしかなしえません。私もアクシデントが無ければTOASTでたっぷり露光をしたかったところですが、こればかりは運命と受け止めるしかありません。TOAST-PROはテスト運用でも好結果が出ているので、今後の撮影には相当活躍してくれそうです。
マガンの塒入り 45ED+0.66X+AF1.7X+K7 手持ち 撮影:潮時 卓様
月食2枚共通データ ミニボーグ60ED+E3 撮影:潮時 卓様
マガンの塒立ち 45ED+0.66X+AF1.7X+K7 手持ち 撮影:潮時 卓様
<撮影者のコメント1>
今晩はいつもお世話になっています。私も、宮城県で初めての皆既月食を撮ることができました。皆さんのように上手くはいきませんでしたが、何とか楽しめました。その経緯については添付文書(以下のコメント2参照)をご覧ください。私の目的はあくまでも、明るいうちの、お月さんとマガンの絡みでした。添付文書にありますように、お月さんが朝晩両方で見られる時期に当たり、それとマガンの塒立ちと塒入りが重なることが狙いでした。それも、明るい空に輝くお月さんが必要でした。そこに、皆既月食の天体ショーが加わったことになります。皆既月食は、60ED+E3で撮りました。その他の塒立ち、塒入りは、45ED+0.66X+AF1.7X+K7で、手持ちで撮りました。その写真も、添付させて頂きます。寒さ厳しくなる季節、どうか御身体をご自愛下さい。伊豆沼、蕪栗沼のマガンの数は、到着日の12月9日のカウントで、148,925羽だったそうです。例年と様子が違い、塒立ちは、少なく感じましたが、採餌場の違いなどで、遠方に分散していたのかもしれません。とにかく、圧倒的な数の鳥に囲まれると理屈などいらなくなります。野鳥に親しむ人はこれを経験すべきだと、いつも思います。今、宮城県には、172,623羽のマガンが飛来しているそうです。「(財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団のマガン合同調査結果・12月9日現在」。シジュウカラガンが100羽混じっているそうですが、とてもこれだけの中から探すことは出来ませんでした。
<撮影者のコメント2>
「月に叢雲花に風」皆様、皆既月食を楽しまれたご様子、まことにご同慶の至りです。私は、フォト仲間と共に伊豆沼、蕪栗沼へ、日の出日没、月の出月没時の、真雁の塒立ちと塒入りの絵コンテを描き、想定した12月8日に出発12月11日までの間行って参りました。天候は過去10年間の現地の記録を確認しておきました。(金華山)
■9日は、今年の真雁の様子を観察し、昨年より飛来数が多いのにもかかわらず、とても少なく感じました。日の出前から始まる塒立ちもほとんどありませんでした。
■10日の朝も、良い日の出と成りませんでした。午後から蕪栗沼へ移動し、日没と月の出を期待しました。日没が過ぎ塒入りが始まってしばらくすると、遠方組が戻ってきました。今季の記録では8万羽位とか。月が見える位置に登って来て、真雁の群れが月を過ぎり始めました。日没後ですが、空に明るさがあることが狙いですので、絵コンテに近い状況が得られました。期待通りで、皆既月食のプロローグはスタートしました。しかし、引き上げる際に月が隠れてしまいました。もしかして、月に叢雲花に風とは・・・。宿に戻り、夕食、風呂の後、浴衣にダウンコートを着て出ると月が輝いていました。そこで、部分月食の始まりから、皆既月食の完全直前まで撮り、お仕舞にしました。翌早朝4時半起きという縛りがあったからです。
■この月が、11日、朝6時20分に月が没するので、6時39分日の出前に塒立ちしてくれると、「月に真雁」の夜明け版となるはずでした。月は綺麗に出ていましたが、塒立ち開始は遅く、願いは叶いませんでした。月に叢雲が、ここに出たのかもしれません。しかし、これがエピローグではありませんでした。丁度良く残された雲に、日の出の光が当たり、絵コンテ通りの色彩を与えてくれました。その色は、あやめいろ、べにふじいろ、鴇色、撫子色、石竹色、薄紅梅、桃花色、牡丹色などと表現される、日本の色に刻々と変化し、レンズの角度やスポット位置により様々に色の変化を見せてくれました。これが本当のエピローグと成りました。宿に戻り朝食を済ませて表にでると、小雪が降っていて、信じられない程でした。地元の方のお話では、今季の初雪とか。
■帰宅後、中川さんのブログで、皆既月食の撮り方の設定が紹介されているのを知りました。出発前に知っていれば、苦労せず、もっと良く写せたことでしょう。残念でしたが、皆既月食直前の私の設定は、中川さんの数値に近いものになっていました。私は、三脚に60ED+E3を取り付けて撮りました。ISO1000で1/4secで撮っていました。中川さんの反省も拝見させて頂きましたが、私も反省と共に勉強になりました。
<中川のコメント>
相互リンクさせていただいている潮時 卓様による、実に味わいのある深い作品の投稿です。鳥と星は両立するのだ、というか繋がっているなあと感じさせる素晴らしい作品です。いずれもデジボーグによる作品です。これをみていると日本っていいなあとつくづく感じます。マガンの塒入り(ねぐらいり)と塒立ち(ねぐらだち)という漢字は今回初めて見ましたが、なかなか味のある漢字です。日本語って奥が深いですね。
P.S.業務的にも個人的にも慌しい実に慌しい1週間が過ぎようとしています。10日の皆既月食の余韻がまだ残っています。今日で一応月食関連の画像掲載は終わりにして、次回から通常モードに戻る予定ですが、3日連続で半休をいただいたので、業務が山積しています。というわけで、明日は休日出勤の予定です。ブログの更新もあるかもしれません。
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